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理事長所信

                                                                                                                                                                                                            公益社団法人上山青年会議所
第41代理事長  五十嵐 敦

                                                                              

自分はどうしてこの上山にいるのだろう?そのようなことを自問自答したことはあるでしょうか。私自身、学生時代は都会に憧れ、東京の大学に進学し、そこでそのまま就職という希望を持っていました。しかし、都会に出た結果、上山ののどかな風景と正反対の雑然とした風景を毎日見ているのが肌に合わないと思い、結局この上山へ戻ってきました。今となっては自分の生まれ育ったこのまちが一番落ち着くと考えております。そんなことをいろいろ考えているときに、昔耳にした言葉を思い出しました。三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎の母の言葉です。「お前は土佐の殿様の家来であり、井ノ口村で育ち、父があり、母があり、姉そして妹、弟達がいる。そうした多くの人間のしがらみの中に自分がいることを忘れないで下さい。それらをすべて切って、おのれ一人の身として動きまわれば、それは身も軽く自由であろう。しかし、それだけはしてくれるな。お前はお前一人で存在しているのではないのです。草木も根を絶てば実をなさぬ。人とて同じ事。どんなに不自由であろうと根を切ってしまえば実りはないと心得て下さい。」これは坂本龍馬やジョン万次郎に触発され、脱藩しようとした弥太郎に、母が「根だけは切るな」と諭した言葉であります。この言葉を岩崎弥太郎は生涯肝に銘じていたといいます。これまでも、そしてこれからも私の根は間違いなくこの上山に張っています。だからこそ、このまちのことを深く考え、このまちを良くしていきたいと思うのです。その想いを持って、まずは市民の方々に、このまちに誇りを持って根を張れると思うような運動を展開してまいります。上山に住んでいるメンバーも、上山で仕事をしているメンバーも、そしてこのまちに住み暮らす市民も、多少なりともこのまちに根を張っているはずです。このまちのことは他人事ではありません。自分自身、そして家族、友人の将来のためにも、一緒にこのまちの未来を考え、共に行動していくことが、明るい豊かな社会の実現への第一歩となると思います。


【和の精神】

聖徳太子が制定した十七条憲法の第1条は、「和を以て貴しとなし…」という言葉で始まります。その第1条には、次のようなことが記されています。「和をなによりも大切なものとし、いさかいを起こさぬことを根本としなさい。人はグループを作りたがり、悟りきった人格者は少ない。それだから、君主や父親のいうことに従わなかったり、近隣の人たちともうまくいかない。しかし上の者も下の者も協調・親睦の気持ちをもって論議するなら、自ずから物事の道理にかない、どんなことも成就するものだ。」勘違いしがちですが、「和」というのは波風を立てないように妥協して意見の違う人たちに合わせる消極的なものではなく、不平不満があれば、正直に表現してぶつけ合い、その中でお互い妥協をせずに歩み寄り、理解し調和していく積極的な理念であると思われます。スポーツで考えてみると、グループで行うスポーツでは、チームワークが重要です。つまり、チームの調和です。チームがまとまっていると、メンバー個々の能力以上の力が出せます。メンバー各自が優秀でも、チームがばらばらでは力は出せません。チームの呼吸が合っていると、1+1=2ではなく、3にも5にもなります。呼吸が合っていないと、2どころか1にもなりません。つまり、「和」が大切なのです。チームが「和」をもって団結していると、想像できないほどの潜在能力が発揮され、奇跡的なほど素晴らしいプレーが出てきます。職場においても「和」が大事です。一つの目的に向かい、職場のみんなが心を合わせて考えると、一人では思いもつかないような発想が次々に湧き出てくるものです。何かの計画を実行するとき、互いを信じて取り組んでいると、初めは不可能かと思えたような課題でも、信じられないほどうまく解決できてしまうのです。調和は、集団を一体化し、単なる要素の総和を越えた、創造力を生み出すのです。一人ひとりが、「和」の精神を意識しながら意見の交換をし、周囲の人々をも巻き込んで行動していくことにより、今までにない更なる一体感を生み出し、最大限の効果を生んだ運動を展開していきましょう。


【ひとの輪】

近年、全国的に会員数の減少が課題とされているように、私たち上山青年会議所においても会員拡大は重要な課題です。青年会議所は次代を担う地域のリーダーの集まりであり、40歳で卒業という制限のもとで活動をしています。そのような制限があるからこそ、常にその時代を担う青年の手によってその地域社会を明るい豊かな社会へと導くために活動することが可能となります。会員拡大は、地域のリーダーを一人でも多く増やしていくための活動であり、また青年会議所がどのような活動を行っているかを知ってもらうことにも繋がり、青年会議所の運動そのものと言えます。会員拡大を全会員の使命として、一人でも多くの同志を募り、ひとの「輪」を広げていきます。青年会議所は青年の学び舎だと言われます。それは人材育成の機会が青年会議所にあるからだと思います。修練・奉仕・友情の三信条、Jayceeとしての志、実施する事業を通じての経験、そして、メンバー同士の出会いにより、共に活動しお互いに刺激しあう中から切磋琢磨することで、気づきがあり、意識が変わり、率先して行動することが出来るようになります。何事にも常にやる気と誇りと責任感を持って行動する。この想いを持って行動することで人は成長し、リーダーシップを発揮出来る様になると考えます。一人では限界がありますが、「輪」の心を持ち、メンバー同士が協力し合えば、想いは必ず「かたち」となって現われます。また、近年の拡大運動の成果で入会歴の浅いメンバーが増えておりますが、メンバー全員で輪を造り、その輪を少しずつ大きくし、メンバーとの輪、地域との輪、関係諸団体との輪へと繋がる体制にして参ります。この「輪」の心を大切にし、メンバー同士のフォローアップをメンバー全員で行いながら組織づくりをしてまいります。 そして近年、歴の長いメンバーがご卒業されるなかで、上山青年会議所の歴史と伝統を紡ぎつつ、次代を担うひとづくりをしなければなりません。自己研鑽をつみ、「輪」の心と目的意識を持ち、知識と経験を兼ね備えたリーダーになるような、地域に必要とされる人材の育成をしてまいります。強固なひとの「輪」により、上山青年会議所を魅力ある団体へと昇華させ、明るい豊かな社会の実現へと繋げます。


【まちの輪】

私たちの住み暮らす上山には、豊かな自然、温泉や果物といった観光資源など、様々な魅力がありますが、地域の人々に郷土愛が育まれるほど十分に魅力が伝わりきれていないのではないでしょうか。おそらく、このまちの皆様も言葉や頭では分かっていても、自身の実感として、実体験として、まちの良さを分かっている方は少ないのではないでしょうか。このまちに住む人々にこのまちを好きになっていただくためには、まず、我々上山青年会議所のメンバー一人ひとりがこのまちのことを知り、良さを再認識し、もっとこのまちを心から好きになる必要があるのだと考えます。人の心を動かすのは簡単なことではありませんが、まずは我々メンバーがこのまちの現状を十分に把握し、まちを理解し、改めてまちの良さを見つけていくことが求められます。その輪がまちの人々に伝播し繋がっていけば、まち全体の意識が変わり、行動が変わっていきます。まちの人々が地域の魅力を再確認する機会を提供し、郷土愛を育むまちづくりを我々青年会議所が展開すると共に、行政やまちの人々を巻き込み、ただ参加するだけではなく、参画や協力をして頂く事により、自らの手でまちづくりを行う意識を創るきっかけとしていきます。かつて城下町、宿場町、温泉町として栄え、このまちは活気に満ち溢れていました。今は人口減少、少子高齢化、景気低迷などで暗い影を落とすこの地域を、再び私たちの手で活気を取り戻し、誰もが明日への希望を持ち、郷土愛溢れる豊かなまちとなるよう全会員で取り組んでまいります。更に、その「輪」を広げていくことにより、上山の魅力を最大限に外へと発信し、このまちを再興する第一歩となる運動を展開してまいります。


【あすの環】

私たちの世代はこれまで先人の苦労と努力の恩恵を受け、何不自由なく生活する事が出来てきました。地方衰退の危機にある今こそ、先人の方々がしてくれたように私たちもこの素晴らしい故郷を次世代へ残していく行動をしなければいけません。なによりその地域を救えるのはその地域に住み暮らす私たちしかいません。しかし今、「自分が故郷をなんとかしたい」と行動できる人間は数多くはいません。なによりその志の核となる郷土愛を養うような教育を受ける環境が、今の子供たちの周りに整っていません。吉田松陰の言葉に、「学は人たる所以を学ぶなり」というのがあります。学問とは、人がどのように生きていくかを学ぶことであるという意味で、これが松下村塾の理念でもあります。 私は普段学ぶ事の出来ないこのひとづくりの教育機会を、青年会議所を通じて青少年たちに届けてあげたいと考えました。なぜならば10年、20年後に、この地域を守っていける人財を育成する事こそ、我々責任世代がやらなければいけない事だからです。責任世代が次に繋がる人材を育成していくという「循環」が生まれれば、そこには明るい未来が輝くのは自明のことです。事業を通じて育った青少年たちがこれまで支えてくれた周りの人たちに感謝し、自分の生きていく目的とその人生の意味を見出す事や、自分の生まれ育った故郷に誇りを持ち、自らが理想を掲げ行動できたなら、成長したその子供たちが必ずやこの混沌とした地域の未来を創りだしていくと確信しています。


【スマイルの環】

毎年7月の終わりに、市民の笑顔を咲かせ、夜空に大輪の花を咲かせる「スマイルプロジェクト☆かみのやま」も、今年度で8回目の開催となります。このように大きな事業が継続できているのは、市民からのご協力、そして様々な団体や企業からのご協力があってのことです。特に市民の皆様からの募金については、年々着実にご理解とご協力をいただいており、市民のスマイルプロジェクトに対する興味、関心が年を経るごとに高まりを見せているのみてとれます。地域活性化に役立たせ、笑顔の環を創り出すという想いから始まった事業ですが、市民がただ参加してイベントを見るだけではそこで終わりです。市民の興味、関心が高まっている今こそが、市民の意識を参加から参画へと進化させるチャンスだと思います。参画したことにより、当事者意識が芽生え、このまちのことを考えるきっかけになり、自分がこのまちを良くしていくという前向きな姿勢になっていくのです。そして更に、その「環」を広げ、市民の中で「循環」していけば、更に魅力的なまちへと変化していきます。笑顔は心が幸せを感じているときに出てきます。周りが笑顔だと自然と自分も笑顔になります。逆に自分が笑顔だと周りを笑顔にできます。まずは自らが笑顔になり、笑顔の「環」を広げていきましょう。このまちの未来に幸せを運ぶのは私たちです。


【結びに】

上山青年会議所へ入会してまだ日が浅く、多くの経験を積んでいるとは言えませんが、自分なりにこのまちの事を考え、行動してまいりました。まだまだ経験の浅い私に更なる成長の機会をいただいたことに感謝申し上げます。青年会議所運動に本気で取り組むことに楽しさと面白さを発見しながら、このまちに奉仕し、志を同じくする仲間との友情を深め、自分自身、そして仲間と修練を共にしていくことができる喜びを分かち合いながら邁進してまいります。また、昨年は創立40周年を迎え、本年は次のステップへの最初の第一歩となる年であります。先輩方が紡いできた40年間を改めて振り返り、そこに新しい風を取り入れ、何事にも果敢に挑戦してまいります。「敦篤虚静」(とんとくきょせい)人を思いやる心が厚く、心にわだかまりがなく、落ち着いていること。この言葉を常に意識し、信念をしっかり見据えて、1年間を全力で駆け抜けることをお誓い申し上げ、所信と致します。