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理事長所信

                                                                                                                                                                                                            公益社団法人上山青年会議所
第42代理事長  多田 弘人

                                                                              

【はじめに

我々、青年会議所が目指す「明るい豊かな社会」とは、どのような社会のことなのでしょうか?その理想社会のイメージはその時代や地域によって変わりうるものでありますが、いつの時代でも変わらないものは、誰もが未来に対し夢や希望を持ち続けられるそんな社会ではないでしょうか。

 

現在、我々を取り巻く社会情勢は少子高齢化、急速に進む人口減少、地域コミュニティの衰退、長引く経済低迷等、様々な社会問題が山積し混迷を極めています。特に、先行きの見えない不安は「自分さえよければよい」という身勝手な考えを生み出し、そこに生きる人々や地域への無関心、何をやっても同じという無力感を一層助長させ、我々の目指す社会とはかけ離れた現実が地域社会に影を落としています。我々のまちも例外ではなく、同じように将来への明るい展望が見えず閉塞感を感じる未来が予想されます。しかし、過去を振り返ってみればいつの時代も未来はそのように言われています。「これから先は混迷の時代、不透明な時代」と。それは未来には不安も希望もあるからではないでしょうか。我々青年は、こんな閉塞感が漂う混沌とした世の中であるからこそ地域の未来を背負う責任世代として自覚と使命感をもち、直面する問題に立ち向かわなくてはなりません。我々の「明るい豊かな社会」の実現に向けた挑戦は、やがて市民の意識を変え、まちを動かす大きなうねりとなり、夢や希望溢れる輝く未来の創造に繋がると確信しています。

 

 

【これからのまちづくりに向けて】

地方創生という言葉が叫ばれて久しい現在、各地域において様々な取り組みが行われています。2014年に開かれた日本創生会議において、人口減少を背景に全国の地方自治体のうち約半数が2040年までに存続できなくなる恐れがある「消滅可能性都市」として発表されました。これを受けて国は地方創生に資する政策を打ち出しました。まちづくりや政治も中央主導から地方主導に移行し、今までのように国から押し付けられた政策を実行するのではなく、地域が本当に必要なものを自ら考え、計画を作り、実行していく環境に変わりつつあります。それを実行していくためには、当事者である市民一人ひとりが自らの地域を知り、地域に対する関心と愛郷心を持ち、まちづくりに積極的に参加することが、自立したまちの創造には必要不可欠です。他者の力をあてにするのではなく、まず自分たちが立ち上がり、市民が主体的に動き出すことによって、地域の課題が鮮明になり地域活性化への糸口が見つかるのだと考えます。地域活性化に特効薬は存在しませんが、活性化のヒントはどの地域にも必ずあります。ただ、地域社会の中に隠れていたり、見捨てられたりして活用されずにいるだけなのです。あくまでも地方創生の担い手は国や自治体ではなく市民一人ひとりであるとの当事者意識の醸成を図ることで、まちづくりへの参画意識の向上を目指します。

 

 

【子供達が輝く未来を描けるために】

子供が嬉しそうに自分の夢を語る姿を見ると、全力で応援したくなります。しかし、小さい頃に描いていた夢を語る子供たちも年齢を重ねるごとに現実的なことを話すようになる事が少なくありません。子供が夢を語らなくなるのは、現実が見えてきたという点で一つの成長の表れともいえます。しかし、大小問わず将来を描きながら成長することは重要なことであると考えます。近年、夢を持てない子供が増えていると言われています。誰にでも「自分の得意なもの」「好きなもの」が一つくらいはあるのではないでしょうか。その延長線上にある高みを目指すということが夢を持つということだと考えます。子供時代に夢を見出すことができ、そのきっかけに恵まれた子は、それを原動力に自分を鍛え、夢を叶えようと努力します。しかし、夢というものは、どんなに強く願ってもすべての人が叶えられるわけではありません。それでも、夢をかなえる努力をする子には明確な目的があり、人一倍努力をして、高い能力を手に入れることもできます。たとえ夢を叶えることができなかったとしても、活躍の場はいくらでもあると思います。それはどんな夢であれ、本気で夢を追い求めた子供についても同じことが言えます。そうやって成長した子供達が多くなれば、地域を牽引し、活力を生み出せる人材が増えることで、地域の未来はきっと明るく変わると確信しています。だからこそ、夢を持つことの意義、楽しさを学ぶことができる機会を創出する必要があると考えます。我々は次世代を担う子供達に多くの経験を重ねることで、自分を信じ、自ら考え行動できる自主的かつ主体的なリーダーの育成を行ってまいります。

 

 

【地域と連携した運動へ】

上山の夜空に大輪の花を咲かせたい。市民に笑顔になってもらいたい。この事業を通じて地域を元気にしたい。そんな想いから始まった「スマイルプロジェクト☆かみのやま」も本年度で9回目を数え、今や地域を代表する大きな事業の一つとなりました。私はこの事業が、現在の上山市において最も市民を笑顔にできる事業だと思っています。そして、地域から一定の理解を得て市民が共感する運動へと進化しつつあります。年々、様々な取り組みや新しいことに挑戦し進化を遂げてきたこの事業でありますが、10年目を目前にした今、大きな転機を迎えているのではないでしょうか。我々の地域には、青年会議所以外の多くの団体が存在します。それぞれの団体は組織が違ってもこのまちの未来を明るくしたいという志の部分は相通じるものがあります。これからのまちの創造は、1つの組織の手で事業を完遂させることも大切なことですが、多くの団体が力を合わせ、大きな運動へと進化させていくことも必要であると考えます。その共感の輪を広げていくためには、これまで考え抜いて実行した経験から得た学びや気付きをもとに、仕組みを作り上げて組織化し地域が連携することで、地域が一体となる素晴らしい事業が展開できると確信しております。そして、多くの人を巻き込み、地域の力を結集し、大きな運動へと昇華させ、笑顔のまち「かみのやま」を創造してまいります。

 

 

【マンパワーが地域の力になる】

全国的に会員減少の傾向が続いている近年、上山青年会議所でも会員数の拡大は最重要課題であります。我々が考える会員拡大とは、単に「仲間づくり」や「組織力強化」を目的としているわけではありません。本来、青年会議所とは、世のため、人のため、地域のために立ち上がった志のある青年の集まりです。これまで上山青年会議所は、地域の方々と手を携え他に誇れる運動・事業を数多く実施し青年会議所本来の目的を達成してきました。我々が過去に立ち上げた事業の中には市民の手に委ねられ今尚継続しているものも存在しています。そしてこれらが地域の誇りとなり上山市の発展へ寄与してきました。地域の明るい未来のためには人材が必要なのは言うまでもありません。我々と志を同じくする仲間が増えれば、より大きな運動を巻き起こし、またより小さな課題へも目を向けることもできます。そして、常に地域に対する発信力、影響力のある運動を展開し続けるためにも、多くの仲間が必要なのです。青年会議所は40歳で卒業しなければなりません。それは新たな人材による新たな課題の抽出と新たな活力を循環させ、いつまでも色褪せない運動を継続して行っていくために考えられた素晴らしい仕組みだと思います。しかし、それと同時に創立以来、人材の発掘は継続的な運動として必須事項でもあります。今後も人材の発掘は重要な運動の柱であり、新たな仲間を引き入れ、共に学び、共に成長していくことが即ち上山青年会議所の「拡大」となります。会員の拡大は地域の力になるという認識をメンバー全員が共有し全力で行動してまいりましょう。

 

 

【社会を牽引できる次代のリーダーの育成】

「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。 故に、夢なき者に成功なし。」この言葉は、明治維新の精神的指導者である吉田松陰の言葉です。松陰が開校した私塾「松下村塾」は、後の明治維新において重要な働きをする多くの志士達を世に排出しました。私が最も感心しているのは、松陰その人ではなく多くの偉人達を生んだ「松下村塾」の素晴らしさです。日本に黒船が訪れた時代、そこでは昼夜を問わず日本が列強にいかに対処するのか、何が必要か、人々をどのように導くのか多くの議論が交わされました。そして、松陰亡き後も継続してその思想を受け継ぎ改革を成し遂げました。短期間かつ少人数であった「松下村塾」が、なぜここまで成果をあげ、継続して改革を行えたのでしょうか。それは生徒に知識や手法ではなく本質とは何か、どう行動すべきか、自分の力で考えることを教えたからだと思います。これまで日本は幾多の危機を乗り越えて今があります。その危機においては、私達と同じ年代のいわゆる責任世代と言われる人々がその役割を担ってきました。また、そのような時代にカリスマと呼ばれる素晴らしいリーダーが多く誕生しました。我々のまちにも、今後も様々な危機が訪れると思いますが、これからもそんな危機を乗り越える資質を身に付けた人材が必要です。我々が、地域に対し影響を与え必要とされ続けるためには、メンバー一人ひとりが地域のリーダーたる資質を身に付けると共に、地域が抱える問題・課題の本質を捉えられる能力を身に付ける必要があります。JAYCEEとして、青年経済人として責任と自覚を持ち、何事にも能動的に行動できるリーダーとなるべく青年会議所という学び舎で得られる多くの機会に意義を見出し、青年らしく何事にも全力で挑戦してまいりましょう。

 

 

【結びに】

これから訪れるであろう混沌とした時代。我々が関わる人々も様々な不安を抱えながら日々を送っています。自らの将来、家族のこと、仕事のこと、自らが暮らす地域のこと。明るい未来を描くのが困難だと考える人も少なくありません。そんな中で我々は青年会議所運動を行っています。我々は、多くの方々の支えがあるからこそ、今こうして活動を行えています。関わる全ての方々に感謝の気持ちを忘れず、青年会議所で得られる多くの学びやご縁を大切にしていかなければなりません。そして、自らの成長を成し遂げ、現実から目を背けることなく、強い信念と確固たる決意を持って、輝く未来へ挑戦していこうではありませんか。

 

未来は我々が創るのです。すべては未来を生きる人のために。

 

未来への責任を果たすために、今、行動しよう!